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象工場 3
またまた、象工場の話の続きです。

『踊る小人』の中から、疑問の答えを見つけてみました。
(太字の部分が本からの抜粋です。)

疑問 ‐櫃浪燭里燭瓩法工場で作られているのか?

 我々は象に比べてとてもせっかちだからだ。自然にまかせて
 おくと、象というのは四、五年に一頭しか子供を出産しない。
 我々はもちろん象のことを大好きだから、象のそういう習慣
 あるいは習性を見ているととても苛立つわけだ。それで
 自分たちの手で象を水増しすることにしたのだ。


疑問◆,匹Δ笋辰橡槓の象を、何から作り出しているのか?

 正確に言うなら、我々は象を水増ししているということになる。
 つまり一頭の象をつかまえてきてのこぎりで耳と鼻と頭と胴と
 足と尻尾に分断し、それをうまく組み合わせて五頭の象を作る
 わけだ。だから出来上がったそれぞれの象の1/5だけが
 本物で、あとの4/5は作り物であるということになる。



象が大好きな人たちが住んでいる国がどこかにあって、
象が大好きだから、象を「水増し」するための工場があって、
本物か水増しかは、
 
 ちょっと見ただけではわからないし、象自身にだってわかりは
 しない。我々はそれくらいうまく象を作るのだ。


この方式でいけば、どこかにカバが大好きな人たちが住んでいる
国があってでも、それがカバでなくってキリンでも、工場は
成立するのではと思ってみましたが、やはり「象」だから
こそ、「象」でなくては、ものがたりには成り得ないかもしれません。

象は大きさだけでなく、そのユニークさにおいて、また
新密度においても、陸上動物の中でトップに位置している
といっても言い過ぎではないかなあと思っています。


『踊る小人』に話を戻すと、あまりにも踊りが上手なゆえに
革命軍から追われる身となった小人が、ある晩「僕」の夢の
中に現われます。みごとな踊りを見た「僕」は一夜限りの夢で
あると思うのと反対に、小人は予言めいたことを口にします。
最後には、小人のその言葉通り、「僕」も警察に追われて、
森の中へ逃げ込むことになるのですが‥。

その「僕」が働いている場所が象工場であり、「僕」は
象工場の職工なのです。



もちろん、象工場の設定も、象の水増しも、踊りがうまい
小人も、村上春樹氏の創作で、ファンタジーなのですが。
どこか知らない場所で、今月は黄色のヘルメットとズボンで
黄色い建物の、耳セクションで働いている人たちが、
いるはずないよと決めつけるより、いたほうがいいなあと
思ったりしています。

象工場。

魅力的なことばです。


 
2007.09.25 Tuesday * 15:39 | 象工場のはなし | comments(0) | -









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